酸化チタンのコーティング
さまざまな物質の表面で光触媒効果を得るためには、通常酸化チタン を薄い膜にしてコーティングします。一般に薄膜形成のためには幅広い 技術があるのですが、それ自体の紹介は割愛します(第32項(『酸化チタン薄膜のスパッタリング』)で簡単には触 れますが、詳しくは例えば「トコトンやさしい薄膜の本/麻蒔立男著/ 日刊工業新聞社」を参照)。ただしコーティングに当っては酸化チタン ならではの工夫も必要なので、ここではそれについて述べます。
まず高温でコーティング~乾燥を行う場合ですが、例えばこれにより、 チタンのアルコキシドやチタニアゾルなどを、高い透明性を保ったまま きれいに付着させることができます。ただしアナターゼ型やブルッカイ ト型の酸化チタンを使いたい場合、600℃を超えるとルチル型に不可逆 的に変化してしまうので注意が必要です。
汎用樹脂など、耐熱性がそれほど高くない基板の場合、常温(最大で 120℃程度)でコーティング~乾燥を行うことになります。例えば過酸化 チタン溶液にある程度の温度や圧力を加えたものは、その後時間をかけ ながらですが、常温でコーティングできます。ただし樹脂自体が光触媒 作用を受けては意味がないので、通常は途中に接着層をはさみこむこと が必要となります。アモルファス型過酸化チタンに適当な物質を加えて 光触媒の力を適度に制御することで、接着層なしにコーティングできる 技術もあります。
理化学研究所と東レは2005年12月、カーボンナノ材料としてよく知ら れるフラーレンの誘導体を光触媒コート剤へ分散混合させることにより、 コート剤の劣化を抑制する手法を開発したと発表しました。
酸化チタンの基本形態酸化チタンとアパタイトのハイブリッド型
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光触媒の勉強資料 目次一覧
- 触媒と光触媒
- 代表的な光触媒物質は酸化チタン
- 酸化チタンの原点の本多・藤嶋効果
- まず光によって電子が伝導帯に移行
- 電子や正孔からの活性酸素の生成
- 金属担持による光触媒性能向上
- 酸化チタンの基本形態
- 酸化チタンのコーティング
- 酸化チタンとアパタイトのハイブリッド型
- 光触媒シリカゲル
- マスクメロン型光触媒
- 昭和電工のブルッカイト型酸化チタン膜
- 光触媒の脱臭への応用
- 光触媒によるシックハウス症候群対策
- 光触媒の排ガス浄化への応用
- 光触媒によるダイオキシン処理
- 光触媒による水の浄化
- 光触媒の流出原油処理への応用
- 光触媒による土壌の浄化
- 光触媒の殺菌殺カビ効果
- 光触媒殺菌効果の手術室への応用
- 光触媒でエチレンガスを分解し鮮度保持
- 光触媒によるセルフクリーニング機能
- 光触媒の持つ超親水効果
- 光触媒の道路への応用例
- 可視光応答型光触媒への挑戦
- 光触媒を応用した人工光合成
- 光触媒と太陽光発電
- 光触媒の歯の漂白への応用
- 光触媒とプラズマ技術
- 発光ダイオードを光源とした光触媒
- 酸化チタン薄膜のスパッタリング
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