酸化チタンとアパタイトのハイブリッド型
樹脂やプラスチックなど、自ら光触媒で分解される基材に酸化チタン を付ける場合、第8項(『酸化チタンのコーティング』)で述べたように接着層をはさんでコーティングする やりかたのほか、光触媒効果のないセラミックで酸化チタンと基材とが 直接触れないようにする工夫もあります。これは基材が紙や繊維などの 場合にも有効です。
その代表的な例が、アパタイト(リン酸カルシウム)との組合せでし ょう。アパタイトとは歯や骨格を形成している主成分物質で、有害物質 を吸着する力を持っています。図のようにその突起が酸化チタンにくっ ついて金平糖のようになることで、酸化チタンと基材とは直接触れずに 済みます。さらにアパタイトの吸着力と酸化チタンの分解力(光触媒効 果)とが組み合わさることで、例えば夜間の光がない状態で有害物質が アパタイトに吸着され、それが昼に光触媒効果で分解される、といった メリットも出てきます。主にハイドロキシアパタイトを用います。
酸化チタンとアパタイトのハイブリッド光触媒は、「ジュピター」や 「ブライトセラム」という商品名で実用化されています。
産業技術総合研究所は、このハイブリッド光触媒を、数分から数十分 という短い時間で製造する技術を開発しました。さらに、ハイドロキシ アパタイト/Ca10(PO4)6(OH)2より耐酸性の強いフッ化アパタイト /Ca10(PO4)6F2を用いたハイブリッド光触媒も実現しています。
一方富士通研究所は、カルシウムヒドロキシアパタイトを樹脂へ直接 練り込み、樹脂の劣化を防ぎながら光触媒効果を確保することに成功し ました。
酸化チタンのコーティング光触媒シリカゲル
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光触媒の勉強資料 目次一覧
- 触媒と光触媒
- 代表的な光触媒物質は酸化チタン
- 酸化チタンの原点の本多・藤嶋効果
- まず光によって電子が伝導帯に移行
- 電子や正孔からの活性酸素の生成
- 金属担持による光触媒性能向上
- 酸化チタンの基本形態
- 酸化チタンのコーティング
- 酸化チタンとアパタイトのハイブリッド型
- 光触媒シリカゲル
- マスクメロン型光触媒
- 昭和電工のブルッカイト型酸化チタン膜
- 光触媒の脱臭への応用
- 光触媒によるシックハウス症候群対策
- 光触媒の排ガス浄化への応用
- 光触媒によるダイオキシン処理
- 光触媒による水の浄化
- 光触媒の流出原油処理への応用
- 光触媒による土壌の浄化
- 光触媒の殺菌殺カビ効果
- 光触媒殺菌効果の手術室への応用
- 光触媒でエチレンガスを分解し鮮度保持
- 光触媒によるセルフクリーニング機能
- 光触媒の持つ超親水効果
- 光触媒の道路への応用例
- 可視光応答型光触媒への挑戦
- 光触媒を応用した人工光合成
- 光触媒と太陽光発電
- 光触媒の歯の漂白への応用
- 光触媒とプラズマ技術
- 発光ダイオードを光源とした光触媒
- 酸化チタン薄膜のスパッタリング
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