可視光応答型光触媒への挑戦:光触媒の勉強資料

可視光応答型光触媒への挑戦

第4項(『まず光によって電子が伝導帯に移行』)で説明したように、酸化チタンの電子を価電子帯から伝導帯に励起 させるには、400nm(ナノメートル)程度以下の波長の光を与える必要が あります。実はちょうどこの付近は紫外線と可視光の境界であり、波長 がより短い部分が紫外線(さらに短くなるとX線)領域となります。

可視光応答型光触媒への挑戦

さて、上図の一番上に、紫外線領域、可視光領域、赤外線領域と重ね 合せながら、地球に届く太陽光が持つエネルギーの強さの概略を波長別 (周波数別といってもよい)に示しました。白く見えるところほど強い ということです。これからわかるように、太陽光は紫外線領域では余り 強くなく、どこを境目とするかにもよるのですが、大体3%程度と言わ れています。ではエネルギーが強いのはどこか。可視光領域です。

というわけで、光触媒をさらに意味のある技術にするためには、この 可視光により光触媒を可能にすることが決定的に重要なのです。

実際いくつかの企業が実績をあげ始めています。例えばエコデバイス 社は、還元性プラズマ内で酸化チタンを表面改質し、酸素欠陥を作るこ とで可視光応答型を実現しています。豊田中央研究所は、窒素を加えて 酸素の代りに酸化チタンと結合させることにより、また住友化学工業は 酸化チタンに様々な添加物を加えることにより、昭和電工は第12項(『昭和電工のブルッカイト型酸化チタン膜』)で述べ たようにブルッカイト型を工夫することで、それぞれ実現しています。 物質・材料研究機構は2004年10月、ゾル-ゲル法という手法で、有機溶媒 で処理した酸化チタンに、350℃程度という比較的低温で窒素を添加し、 効率の高い可視光光触媒を実現しています。

光触媒の道路への応用例光触媒を応用した人工光合成




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