光触媒を応用した人工光合成:光触媒の勉強資料

光触媒を応用した人工光合成

第3項(『酸化チタンの原点の本多・藤嶋効果』)で説明したように、本多・藤嶋効果というのは水から水素と酸素 を発生させつつ電力まで得るという、非常に素晴しい反応でした。もち ろんすべての基礎は光エネルギーにあります。

ここでいったん電気のことは忘れて、光によって水から酸素を得た、 と考えると、これは植物の光合成に似ています。実際、トータルで見て 同じ意味のある反応なのです。

ただし光合成は水素ガスそのものは通常出しません。また二酸化炭素 を消費します。その意味ではまったく同じという訳ではありません。

光合成は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を減らし、多くの生物 にとって命の源ともいえる酸素を出してくれる、極めてありがたい反応 ですが、別に植物は動物のためにそれを行っているのではありません。 二酸化炭素を元にぶどう糖など自分に有用な成分を得ることと、化学的 なエネルギーを得ることが目的です。つまり水と太陽光からエネルギー を得る(チラコイドで起きる明反応)副産物として水素(の化合物)や 酸素の生成があり、その水素化合物から糖類を作る(ストロマで起きる 暗反応)過程で二酸化炭素を吸収してくれるのです。植物自身の成長の、 物質的な基礎とエネルギー的な基礎とがこうして得られるわけです。

光触媒を応用した人工光合成

人工光合成の場合、糖類を作る意味はあまりありません。むしろ水素 自体を得る方が、燃料電池にも使えるので便利でしょう。という訳で、 植物の光合成と完全に同じではないのですが、酸素や水素という有用な 物質を得るという意味で、人工光合成が大いに注目されているのです。 酸化チタン以外にタンタル酸化物の利用も研究されています。

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